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『葉物のリボベジでキッチンガーデニングをしよう』

リポベジして育たられている二つの苗

葉物のリボベジでキッチンガーデニングをしよう

リボベジ(リボーンベジタブル)とは、料理で使った野菜の切れ端や根元を水につけて再生栽培する方法。わざわざ観葉植物を購入しなくてもグリーンを楽しめます。しかも育てば食べられるのでお得! 

今回は葉物のリボベジの育て方をご紹介します。ぜひ、野菜がすくすくと成長していく過程を楽しんでください。

香り高い三つ葉

竹ザルに並べられた根つきの三つ葉たち

冬から春にかけてが旬の三つ葉はさわやかな香りが楽しめて、お吸い物などの彩りや薬味にも重宝します。
根付きの三つ葉を使います。茎を5cmほど残して切り、葉丈8㎝くらいまでの新芽も残します(写真下)。残りの葉は料理に使って、リボベジスタート!

細い茎や根の先が黒い部分は水の吸い上げが悪く萎れてしまいがちなので、まずはハサミで切って水でよく洗います。三つ葉などの根付き野菜は根が入る深さのコップなどに入れて、根が半分浸るくらい水を入れます。あとは1日1回水を替えるだけ。だんだん根が汚れてくるので、ときどき水で洗いましょう。

3日目くらいから葉が伸びてきて、二週間後くらいから食べられる大きさまで育ちます。このとき重要なのがどんどん収穫すること。葉が大きくなるまで待つよりも、早めに切って食べたほうが成長しやすくなります。2~3回くらいは収穫できるでしょう。

三つ葉は寒さに強いのでベランダなど室外でも上手に育ちます。直射日光があたるところではなく、半日蔭(直射日光が当たらない明るい場所)に置くようにしましょう。

 

冬から春まで楽しめるセリ

ハサミで根っこの処理をされるセリ

独特の風味があるセリは、冬は鍋ものに、春は七草のひとつとして活躍します。

三つ葉と同様に根付きを購入し、茎を5cmほど残して切り、細い茎や根の先が黒い部分を取り除きます。セリも寒さに強いので室外でも育ちます。半日陰に置きましょう。

藁の繊維でできた容器で栽培されるセリ

水耕栽培でもよいですが、土に植え替えれば水耕栽培よりも長く収穫できます。

冬季は根を凍えさせないよう午前中に水やりを。写真はエッグカゴに藁の繊維を敷き詰めて土を入れ、セリを植えた様子です。

藁の容器をつるし、そこで育てられたセリ

3か月後には大きく成長しました。ぜひお気に入りの鉢や器を使ってみてください。


料理に便利なバジル

透明で縦長の瓶でリポベジされるバジル 

バジルはパスタやピザなど、トマトとの相性がよいハーブ。スーパーで売っているパック入りのバジルからだってリボベジできます!

水に挿しておくと1か月くらいで根が伸びはじめ、春には葉が茂りだします。水に浸かる部分の葉は、取り除いておくのが栽培スタートのポイントです。寒さには弱いので日当たりのよい室内で育てましょう。

バジルやクレソン、ミントは、根が付いていなくても水に挿して水替えを毎日するだけで、数日後に根が出て春には収穫できるようになります。

何度も収穫しやすいクレソン

竹ザルにおかれたクレソン

生命力が強いクレソンもバジルと同様に育てやすく、何度も収穫できるのでおすすめです。
水に浸る部分の葉を取り除いた茎の部分から根が出てきます。

写真は育てはじめて3日後の様子。白い根が出はじめています。クレソンは寒さに強いので、根がたくさん出たらベランダなど室外でも育てられます。

これもおすすめ!

睡蓮鉢にセットした、ペットボトルでリポベジされたわさび

寒さに強く室外で育てられる野菜を使い、大きな水耕栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょう? ペットボトルを半分に切り、口の部分を下にしてベランダの睡蓮鉢に引っ掛けました。ときどき水を替えるだけで上手に育ちます。

3月中旬頃になると白い繊細な花が咲くのも楽しみです!ワサビは葉の形が美しく、茎も風味があっておすすめですよ。

たなか やすこさん/ガーデニングクリエイター&イラストレーター

たなか やすこさん
ガーデニングクリエイター&イラストレーター。コンテナをメインとした家庭菜園歴25年の経験を活かし、市民講座やワークショップを開催している。 著書に『とれたてがおいしい! おうち菜園』(扶桑社)、『LEE CREATIVE LIFE とれたての幸せ。はじめてのベランダ菜園』(集英社)、『シンプル&エコに育てるおいしいベランダ菜園』(家の光協会)、『ベランダ寄せ植え菜園』(誠文堂新光社)など多数。

 

http://www.greengloves.jp/